便潜血陽性とは
通常、便からの出血には、目で見てわかる出血から目で見て判断できない血便があります。
便潜血陽性とは、便潜血検査において、「便に血液が混じっている」という判定のことを指します。
一見したところ健康な便に見えても、便潜血検査で陽性が出た場合には、目に見えない微量の血液が混じっている可能性が高いと言えます。便潜血陽性では、つまり、口から、肛門までの消化管のどこかに出血の可能性があるということです。健診などでは、簡易な検査、大腸がん検診として主に大腸から肛門にかけて出血の有無の判定に用いられています。
大腸がんの死亡者数
大腸がんによる死亡者数は、全ての癌で比較して、女性は第1位、男性は第3位と言われています。特に40歳以降の方は、男性・女性に問わず大腸がんにかかるリスクが大幅に増加すると言われています。
大腸がんの発見方法
大腸がんの発見方法として有用とされている検査が、便潜血検査となります。便潜血検査は、大腸がんの早期発見、そして、大腸がんの死亡率低下に有効な手段であることが世界的にも認められています。
特に便潜血検査の2回法(異なる日の排便を用いて2回検便を実施する)は、気軽にできる大腸がんを発見するための検査と言われています。
便潜血検査にて陽性判定を受ける割合
便潜血検査の2回法にて陽性となる可能性は約5%と言われています。また、便潜血陽性のうちの約2〜3%が大腸がんであると言われています。特に、進行大腸がんだった場合には、1回法で60%、2回法で90%大腸がんと診断できると考えられています。
陽性判定の割合 | |
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便潜血検査2回法の陽性割合 | 約5% |
便潜血陽性のうち大腸がんである割合 | 約2〜3% |
進行大腸がんで便潜血陽性の割合 | 1回法60%・2回法90% |
早期大腸がんで便潜血陽性の割合 | 2回法50% |
大腸がん以外の痔や大腸粘膜の炎症などでも、便潜血検査にて陽性となる可能性があります。そのため、大腸がんの早期発見の為、一度でも便潜血陽性になった場合は、二次検査にて大腸内視鏡検査を受けることが重要です。
便潜血陽性と大腸内視鏡検査の関係性
便潜血検査にて陽性と診断された方の約30〜40%が大腸がんになり得る「大腸ポリープ」があると言われています。大腸ポリープを早期に発見出来れば、大腸がんの予防をすることもできます。また、大腸ポリープは、日帰りでの手術で切除することも可能となります。便潜血検査にて陽性と診断された場合は、大腸内視鏡検査をお早めに受診しましょう。
大腸がん発見のための検査
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便潜血検査
大腸がんや大腸ポリープが生じると、便と擦れたときなどに出血が生じることがあります。
便潜血検査では、そうして便に付着した血液の有無を調べることができます。
ただし、大腸がん・大腸ポリープから必ず出血するというわけではありませんので、陰性であったからといって大腸がん・大腸ポリープがないということにはならないのです。
また反対に、陽性であっても必ず大腸がん・大腸ポリープやその他の疾患であるというわけでもありません。
便潜血検査は、あくまでスクリーニング検査として受けるものです。確定診断のため、大腸カメラ検査が必要になります。 -
大腸カメラ検査
肛門から内視鏡を挿入し、大腸粘膜をカメラで直接観察する検査です。
必要に応じて組織を採取して調べることができますので、早期の大腸がんに対しても確定診断が可能です。
また、検査でポリープを発見した場合には、その場で切除することができます。多くの大腸がんはポリープからがん化して発生するため、大腸ポリープを切除しておくことは、大腸がんの予防にもなります。
便潜血陽性だった方へ
便潜血検査で陽性が出た方は、胃や十二指腸、大腸などからの出血が疑われます。
痔からくる出血もありますが、同時に、大腸がんや他の大腸疾患の存在も疑われます。
早期大腸がんの場合、陽性率は、約20%という報告もあります。
便潜血陽性を放置すると
陽性が出た場合は、多くは消化器からの出血を原因としています。大腸がんなどの命にかかわる病気である場合にはその進行が懸念されます。また、大腸ポリープを放置してしまい、がん化するというおそれもあります。なるべく早めに大腸内視鏡検査による精密検査をお勧めします。
便潜血検査が陰性だった方へ
採取した便に血が混じっていなかった場合、採取した部分によって判定結果が、陰性という結果になります
早期大腸がんの場合、陽性率は、約20%以下という報告もあり、早期大腸がんの約80%は見過ごされている可能性もあるということです。
痔などでの出血以外、痛みなど自覚症状もなく放置しがちです。大腸がん検診というスクリーニング検査としての便潜血検査だけで大腸がんやポリープの有無を把握することは難しく、病気の予防や早期発見には定期的な大腸内視鏡検査が必要です。
特にリスクの高くなる40歳以上の方は、便潜血検査の陽性・陰性の判定にかかわらず、定期的に大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
大腸カメラ検査であれば、粘膜をカメラで直接観察し、必要に応じて組織を採取して調べることで、早期がんであっても確定診断、大腸カメラで切除が可能です。
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便潜血検査の定期受診のお願い
大腸がんの予防・早期発見のためには、便潜血検査を毎年受けて頂くことが重要です。また、1度でも便潜血検査にて陽性判定を受けた場合には、二次検査である大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。便潜血検査を受けるだけでは大腸がんを予防することにはなりません。二次検査である大腸カメラ検査まで受けて初めて大腸がん予防に繋がります。ご自身やご家族のためにも、便潜血反応陽性の方は当院にお気軽にご相談ください。
大阪江坂胃腸内科・内視鏡クリニックでの大腸内視鏡検査について
当院での大腸内視鏡検査では、経験豊富な内視鏡専門医が、患者様の負担が少なくなるように、鎮静剤を用いた眠ったまま終わる、痛くない大腸カメラ検査を行っております。
当院では、他にも患者様に合った下剤を選択いただけたり、微細な病変も観察することが可能な次世代内視鏡システム、富士フィルム『LASEREOレザリオ6000システム』を導入しています。
お早めに大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。