大腸ポリープとは
大腸ポリープは大きく2つに分類されます。
腫瘍性ポリープ
- 腺腫(管状、管状絨毛、絨毛、鋸歯状)
- 腺癌
非腫瘍性ポリープ(=良性)
- 過形成性ポリープ
- 炎症性ポリープ
- 良性リンパ濾胞性ポリープ
腺腫は大腸ポリープの中で最も頻度が高く全体の80%を占めます。
大腸ポリープと癌の関係
大腸ポリープ(腺腫)= 大腸がんの前がん状態
統計上、腺腫といわれるポリープの95%は良性のままですが5%が将来、悪性(腺癌)になります。
(統計上、腺腫と言われる良性ポリープの5%が悪性(腺癌)となります)
大腸がんの約97%が腺癌という結果からも 大腸ポリープ(腺腫)が大腸がんの前がん状態と考えられています。
(大腸腺腫―腺癌連鎖は以前から指摘されていたものです。)
そのため、この大腸ポリープ(線種)をすべて切除するとことが将来の大腸がん予防になります。
大腸ポリープの原因
大腸ポリープの症状
- 血便(便潜血検査陽性)
- 便秘、腹痛
- 下痢
上記に主な症状を挙げましたが、ポリープが大きくなるまでは、いずれもほとんど出現しません。
また、血便はポリープと便との摩擦によって生じるものですので、便潜血検査が陰性であっても、「大腸ポリープではない」あるいは「大腸がんではない」とは言い切れません。
大腸ポリープの検査、診断
大腸ポリープの検査では、大腸内視鏡検査を行います。
当院の内視鏡には、粘膜の微細な変化を強調できる機能が搭載されていますので、将来がんになり得る微小なポリープまで正確に発見することができます。
大腸ポリープの治療
大腸ポリープの治療では、大腸ポリープの切除を行うことになります。
当院では、日帰りでの大腸ポリープ切除に対応しております。大腸内視鏡検査の際に発見次第切除するケースと、他医療機関で発見した大腸ポリープを当院で切除するケースがあります。
当院で大腸内視鏡検査を受けていただければ、大腸ポリープが見つかったときにその場で切除し、後日他医療機関を受診して大腸ポリープを切除してもらう必要はありません。
大腸ポリープ切除のメリットと手法
大腸がんの多くは、大腸ポリープががん化して発生します。そのため、大腸ポリープの段階で治療(切除)しておくことは、大腸がんの予防になります。
ポリペクトミー
もっとも一般的な切除の方法です。
スコープの先端から「スネア」と呼ばれる輪っか状の器具を出し、ポリープに引っかけ、締め付けるとともに高周波を流して焼き切ります。焼き切ることで、電気メスのような止血効果も期待できます。
コールドポリペクトミー
スネアに高周波を流さずに、締め付けることでポリープを切除する方法です。すぐに止血処置を行うため、出血もほとんどありません。
内視鏡的粘膜切除
主に、隆起が少ない平坦な大腸ポリープに対して行う方法です。
ポリープの下に生理食塩水を注入し、ポリープを隆起させてスネアを引っかけ、高周波を流して焼き切ります。
全周切開内視鏡的粘膜切除術
主に、平坦かつ大きい大腸ポリープに対して行う方法です。
ポリープの下に生理食塩水を注入します(ここまでは内視鏡的粘膜切除と同じ)。その上で粘膜に切開を加え、スネアが引っかかりやすいようにポリープの形を整えます。再度生理食塩水を注入し、持ち上がったポリープにスネアを引っかけ、高周波を流して焼き切ります。
大腸ポリープの内視鏡切除
当クリニックでは、大腸カメラ検査で大腸ポリープを発見した場合に、その場で切除することが可能です。
他医療機関で大腸ポリープを発見し、当院で切除を行うという形でも対応いたします。
入院不要の日帰りでの治療ですので、どうぞご安心の上、ご相談ください。
大腸ポリープ切除の流れ
基本的に「ポリペクトミー」という方法で大腸ポリープの切除を行っております。
- 内視鏡の先端から、スネアと呼ばれる輪っかを出し、ポリープに引っ掛けます。
- スネアを絞り、通電します。
- 切除した組織を回収します。
大腸ポリープ切除後の注意点
- 切除後1週間程度は、出血のリスクがあります。飲酒、激しい運動、腹圧が上がる動作はお控えください。
- 切除後数日間は、トイレットペーパーに血が少量付着することがありますが、問題はありません。ただし、便器が真っ赤になるような出血があった場合には、すぐにご連絡ください。
- 切除した当日、翌日のお風呂はシャワーで済ませてください。通常切除後翌々日から、湯船に浸かっていただけます。
大腸ポリープ切除費用
保険1割負担 | 保険3割負担 | ||
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観察のみ | 約2,500円 | 約7,500円 | |
ポリープ切除 | 1ヶ所 | 約7,000円 | 約22,000円 |
2ヶ所 | 約8,000円 | 約24,000円 | |
3ヶ所以上 | 約9,000円 | 約27,000円 |
- 使用する薬剤、鎮静剤の有無によって、多少お値段が前後します。
- 別途、診察代が必要になります。