胃ポリープとは
胃粘膜上皮の局所的な増殖より胃の内側に突出した隆起病変で、非上皮性隆起や明らかな悪性病変は含めません。
胃ポリープは、良性の上皮性隆起病変の代表的なものです。
(1)過形成性ポリープ
(2)胃底腺ポリープ
の2つに大きく分けれます。
臨床上は、腺窩上皮、幽門腺の過形成で生じたものを過形成性ポリープ、胃底腺の過形成変化で生じたものを胃底腺ポリープと分けています。
成因
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過形成性ポリープ
胃粘膜の萎縮性変化に伴い、腺窩上皮の過形成が最も多く、胃体下部から前庭部に多く見られます。
内視鏡所見で山田分類 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ型と様々な形態で、大きさは5mm以下から30mmまでのものがあります。表面は発赤が強く、びらんが見られることもあります。
20mm以上の場合、癌の合併率が高いと考えられています。(ポリープ切除の対象となります)
また、過形成性ポリープでは、ピロリ菌陽性であることが多く、除菌治療により過形成性ポリープの消失が80%との報告があります。除菌治療以外ほとんどの場合、経過観察で1年後のフォローとなります。
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胃底腺ポリープ
胃粘膜の萎縮性変化をともなわず、胃体部、穹窿部に多く見られます。
内視鏡所見で山田分類Ⅰ、Ⅱ型で大きさ5mm以下は多発傾向があります。
表面平滑で周囲粘膜と同色傾向にあります。
とくに治療はなく経過観察で1~2年後のフォローとなります。 -
腺腫性ポリープ
内視鏡所見で蒼白色、褐色、山田分類 Ⅱ型が多く反応性のポリープでなく腫瘍性のポリープで、大きさ10mm以上、表面の陥凹を伴う、平坦型のものは癌化率が高いと言われています。
1年毎の内視鏡検査フォローで病理検査(生検)を行い、腺腫内癌、早期胃癌との鑑別を行います。
治療は内視鏡的切除術となります。
(組織検査結果で必要となった方が対象です)
胃カメラ検査
健診、人間ドッグのバリウム検査で指摘されて、経過観察という判断が多くされています。この判断で正しく、多くが良性で症状もありませんが、ポリープの色は?形状は?どのタイプなのか?これらが胃内視鏡検査で鮮明にわかります。
指摘されていないポリープが見つかるケースもありますので、検査されたことのない方は胃カメラ検査されるのも一案です。